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国産ナフサ価格の計算式は?プラスチック樹脂価格の決定方法も解説

市場考察2023.01.05

プラスチックの原料になっているのはナフサ。国産ナフサ価格がどのように決まっているのかが分かることで、プラスチック樹脂価格を想定することができるようになります。

そこで今回はナフサ価格の計算式や、プラスチック樹脂価格の決め方について解説していきます。

ナフサとは

ナフサとは、原油を常圧で蒸留し、分離することで作られる石油製品の1つです。ナフサはガソリンに似た見た目透明な液体で、常温や常圧でも簡単に気体になってしまう(揮発性が高い)という特徴をもっています。

実はナフサを精製するとガソリンができます。未精製のガソリンであることから、粗製ガソリンとも呼ばれています。
そして、このナフサをクラッキング(熱分解)することで、ポロプロピレン(PP)の元となるプロピレンや、ポリエチレン(PE)の元となるエチレンなどのプラスチックの原料が得られます。ナフサのクラッキングにより、エチレンは22〜25%、プロピレンは12〜16%程度得ることができます。

ナフサ 精製 プラスチック

国産ナフサ価格とプラスチック樹脂価格はどう決まる?

理解しやすいように、まず国産ナフサ価格の計算方法を解説します。

国産ナフサ価格の計算方法と計算式

国産ナフサ価格は、日本に輸入されるナフサ価格に、1kL当たり2,000円(輸入後にタンクで貯蔵したり、パイプラインを使用したりする際に発生する費用)を足すことで計算できます。計算式にすると、以下のような形です。

国産ナフサ価格 = ナフサ輸入平均価格 + 2,000円/kL

この式の中にある「ナフサ輸入平均価格」は、別名「MOF価格」とも呼ばれています。「Minister of Finance」の略で、日本語にすると「財務省」です。日本にナフサを輸入するときの平均価格は、毎月財務省が発表していることからこの名前が付けられています。

また、国産ナフサ価格を計算する時の「ナフサ輸入平均価格」は、3ヶ月分の平均価格を使います。計算式は以下の通りです。

ナフサ輸入平均価格 = 3ヶ月分の輸入金額 / 3ヶ月分の輸入数量(kL)

仮に3ヶ月の輸入金額が500億円、3ヶ月分の輸入数量が100万kLだった場合、国産ナフサの価格は以下のように計算します。

ナフサ輸入平均価格 = 50,000,000,000円 / 1,000,000kL = 50,000円/kL
国産ナフサ価格 = 50,000円/kL + 2,000円/kL = 52,000円/kL

国産ナフサ価格は52,000円/kLだと分かりました。こうやって国産ナフサ価格を計算すれば、自ずとプラスチック樹脂価格も分かってきます。

プラスチック樹脂価格を決める2つの方法

プラスチック樹脂価格は、国産ナフサ価格の変動によって決められていて、「ナフサフォーミュラ」と「都度決め」という2種類の決め方があります。
「ナフサフォーミュラ」は1年間を4期に分け、期ごとに樹脂価格の改定を行う方法です。具体的には2月・5月・8月・11月のように3ヶ月に1回のタイミングで価格改定を行います。1・4・7・10月、3・6・9・12月のタイミングで改定することもあります。

例えば、8月1日から適用されるプラスチック樹脂価格は、4〜6月の国産ナフサ価格の平均から導き出されます。価格の貿易統計は翌月末には公表されるので、この場合は7月末に判明します。価格が分かった後に樹脂の価格が変更されるので、翌月の8月1日から価格改定されるというわけです。ナフサフォーミュラは別名、ナフサ連動・ナフサスライドと言われることがあります。

もう1つの価格の決め方である「都度決め」は市況決め、ジャン決めとも言われていて、読んで字の如く、四半期ごとではなくそのときの市況や需給バランス等によって決められた国産ナフサ価格をもとに計算される方法です。
一般的には、国産ナフサ1,000円/kLあたり樹脂価格を2円/KG変動させるというやり方が多くなっています。実際のプラスチック樹脂価格の改定の取り決めは、取引する会社同士で決定されています。

まとめ

本記事ではポリエチレンやポリプロピレンなどの原料であるナフサの計算式と、プラスチック樹脂価格の決定方法について解説をしてきました。

ナフサは原油から作られているため、原油価格の変動の影響を強く受け、原油価格は様々な世界情勢の影響を受けて、高騰したり下落したりと日々変動を続けています。

弊社ポリコンポは三井物産プラスチックの関係会社で、小口販売に特化したポリエチレン、ポリプロピレンの販売を行っております。弊社グループの情報網で原油・ナフサ・プラスチック原料価格の変動も常にモニタリングしております。
価格や素材選びにお悩みがあれば、プラスチック樹脂に詳しい専門の担当によるご相談も可能です。

まずは一度、お問い合わせをしていただければ幸いです。

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